デザイナーがエンジニアを目指すべきでない理由


今回はデザイナーが陥りがちな、Webデザイナーはコード(マークアップ言語)を書くべきか、デザイナーがエンジニアになるべきではないと思った理由を私の失敗談を交えてお話しします。ちなみにマークアップ言語というのはhtml, css, jQueryなんかのことです。

なぜデザイナーの私が、エンジニアの学校に行ってまでプログラミングの勉強をしていたか

①正解がない広告をこねくり回して作るデザイナーの仕事に、体力的にも、精神的にも、疲れ果てた
②正解がないながらに、これはこうでこうだからこれがいいと自分なりに作っているものを、決定権のある人間がどうでもいい、(おっと)気まぐれに、あるいは力任せに変更しろと言ってくるのに対応して更に疲れ果てた(かっこいいことは正義ではないが、ダサいのがじゃあ正義ってわけじゃないだろう。。)
③フリーランスになりたいのに、デザイナーよりエンジニアの求人のほうが圧倒的に多い(未だに多い)
④受託状態に疲れたので、何かしなければと思った(そうゆうことを考えるお年頃だったというか)

それで、これはエンジニアになるしかない!と当時の私は思い、さっそく表参道にある某エンジニア養成学校(ここが一番面白そうに思えた)を受験、アイデア試験で合格しました。アイデア試験は「こうゆうアプリを作って、収益化し、みんなを喜ばせたいです!」、みたいなこと(一応、荒唐無稽にならないようにお金周りのことも武装していった)をデザイナーのセンスが光るプレゼン資料をもとにプレゼンしました。受かったときはすごくうれしかった。
でも今思うと落ちていてもプラマイゼロだよなあと思う。
でも、学校出てから知ったのですが、探せば無料で学べるプログラミングのスクールも色々あるみたいですね。。(エンジニアの学校の話はまた今度)。

マークアップのコードが書ける = エンジニアではありません

ここで、なぜデザイナーがプログラミングの道に間違って入ってしまうのか私なりに考えてみると、そりゃWebデザイナーは当然コードも書けるんだよね?!という圧力があるからでしょう。Webデザイナーでhtml, css, jQueryやJavaScriptまで使えたほうが単価も高くなる。でも長い経験から言って、jQueryくらいまでで、やっぱり、htmlコーダーというカテゴリに入ってて、私が知る限りデザインはデザイナーの仕事って感じで分業であることが多かったし、私自身、ここはjQueryで風に棚引くような動きを加えてよなどと、言われたことない。オシャレ系のデザイン制作会社か何かなら分からないけど。そもそもコード書くのって本当にWebデザイナーの仕事だろうか。

仕事をサボってるわけではないが、やはり専門的技能が深くあるので、マークアップ、もっとすごいギミックを入れるならフロントエンドエンジニアを間に入れて欲しいと思う。依頼してくるほうも、jQueryもJavaScriptもと言ってるほうも、その2つの違いもよく分からず、html/cssとの違いとも分かっていないことが多いのではないだろうか。

だから高単価のデザイナーになりたければコードが書けるは強い。でもデザイナーには他に差異化するポイントがあると思う。

A. XD, Sketch, Figmaが使えてiOSなどのデザインシステムが分かる -> アプリデザイナーの道へ
B. イラレ、フォトショ(この2つは必修科目のようなもの)の他にInDesignも使える -> まだまだ現場で第一線で行く道へ
C. ディレクションができる、または人に教えた経験がある -> ディレクター、プロデューサーの道へ

 
ここで、「D コードが書ける -> エンジニアまたはデザイナーエンジニアにジョブチェンジ」ではない、というのが私のエンジニア養成学校へ行ってから分かった最大の学びでした。。なぜ、「コードが書けるデザイナー -> エンジニア」が無茶なのか。確かにそういうエンジニアが皆無というわけではないけど、おそらく、デザインというのはWebデザインを軽く1〜3年くらいやって、さっさとエンジニアになった人が今、デザイナーエンジニアと名乗っておられるのではないだろうか。

ちなみに私が知る限り、どこの企業の募集職種にもデザイナーエンジニアという職種は見たことがありません。ここで再びデザイン = 正解がない仕事というのがやってくるのです。。あと、デザインはカバーしている範囲が広い。広すぎる範囲を全てカバーはできないので、自分は何が得意なデザイナーか定義づけしておくのもいいです。

まあ、マークアップが書けることと、エンジニア的なコードが書けるということにはかなり差があるということでした。

エンジニアが世界的に不足しているという嘘

いや、確かにエンジニアは不足しているが、progateを終えて、udemyを終えて、ポートフォリオを作り終えた人は、なかなかどうしていっぱいいる。未経験でエンジニアになりたい人が、職業的エンジニアになるのにハードルが高いから、エンジニアの数が少ないのだ。

なぜか、エンジニアを育ててる暇、ノウハウがないのだ。エンジニアを育てるエンジニア自体、毎日勉強しなくてはついていけないくらいエンジニアの森が深すぎる。4Gから5G, ブロックチェーン、ディープラーニング、二段階認証、言語やライブラリのバージョンアップ、情報処理技術者試験、AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト(名前も長い)などなど勉強しなきゃいけないことは増えていく一方(SwiftUIが出て、私はSwift諦めました)。

フロントエンドエンジニアでもフロントの技術だけを見ていればいいという訳でもなく。第一どこまでがフロントで、どこからがバックエンドなのか。
あとエンジニアだからって、いちいちWebサイト作れるわけじゃないと思います。ある程度できるだけで、書き方が古いままな人も結構いるのではないだろうか。

エンジニアの数が世界的に少ないのは、エンジニアの業界のシステム的な問題から来るのであって、けして難しすぎて(難しいけど)という問題だけではないよね、って話になります。

でも、AIがプログラミング担えるようになったら少しは負担も減るかもですが、そのときはさらにエンジニアになるのが狭き門になるでしょうね。若くてなりたい人がいっぱいいるのに、私の年齢(アラフォー)でなれるか?というところで諦めました。エンジニアになるのはやっぱり30くらいまでかも知れません。

まあ、でもコードが書けるデザイナーは強いよね。
フロントエンドエンジニアとは全然違うんだけど、という話でした!