元マーケティング部デザイナーが教える、制作費を浮かせる方法


コストの点なのか、デザイナーとのコミュニケーションの問題なのか、製品を作ることからデザインをする工程までを、全部自分でやりたいという人を、けっこう見かけます。コストダウンに関しては、私も色々な企業で、涙ぐましい歩み寄りをしてきたので、ちょっと考えてみました。

結論から書きますと、

① 素材を使う(無料 / 有料含め)
② 自動生成ツールを使う
③ ランサーズやCrowdWorksのコンペ形式に発注して、(ほぼ)無料で制作を請け負ってくれる人を探す

それぞれ解説していきます。

① 素材を使う

今は素材サイトが豊富なので、これを使い倒しましょう。
有名すぎる無料素材サイト(いらすとやとか)を除いて紹介すると、海外サイトになりますが、
・おしゃれな画像が多いunsplash
・アイコン系だとiconmonstr
・イラストだとouch!

有料素材だと、
・画像も、動画も、イラストも置いてて、使いやすいAdobe Stock
Shutterstock

これらの素材をダウンロードしてきて、aiファイルやjpegファイルなどのAdobeCC用画像ファイルを、無料のデザインツールであるGIMPなどで開いて、編集すればできそうです。

あと、画像やアイコンなどの素材もあらかじめ用意されていて、デザイン制作そのものが自分でできるcanva(キャンバ)というオーストラリアのサービスがすごい。
ここはロゴでも、フライヤーでも、インフォグラフィックでも、各種SNSバナーまで、ブラウザ上の操作で、無料でしかもそこそこ見た目のいいものができるようです。

ただし、商標登録等は認められていないのでご注意ください。

② 自動生成ツールを使う

人工知能にがデザインを作ってもらいます。2019年のAdobeMaxで、Adobe sensei(Adobeの開発した人工知能)で、落書きの絵を、ちゃんとした見栄えのするロゴに仕上げて工程を映した動画がツイッターを騒がせてました。デザイナー殺しとして。。
まだ実際の製品化はこれからですが、クリエイティブ職種の働き方の概念まで、大きく変わりそうです。
他にAutoDrawというサービスがあります。ここは、手書きの線をきれいな線に変換してくれたり、「あなたのイメージはこれ?」とレコメンドを選択できるようになっています。

ところで人工知能による制作物の、商標登録や知的財産の侵害ってどうなるんでしょうね?いま現在は、まだ人のほうが追いついてないみたいですが。



③ ランサーズやCrowdWorksのコンペ形式に発注して、(ほぼ)無料で制作を請け負ってくれる人を探す

ランサーズやCrowdWorksなどで、デザインを無料か安い価格でやってくれる人を探します。なぜ安い金額で請け負ってくれるかというと、実績として紹介したいからですね。デザイナー側から仕事を受注する側として、クラウドソーシングを見ていると、ここで実績数を貯めて、発注側であるクライアントと関係を作っていって、正規の価格での案件に持っていきましょうと勧められます。

一人一人探すのが面倒なら、コンペ方式で発注します。ただしクリエイターに制作費を払わないで無料でやってよというのは、相当嫌われるということは肝に銘じてください。信頼関係のあろうとなかろうと、相手が友達であろうとなかろうと、いきなりDMを送ってきて「タダでやって」は、よく見るツイッターの炎上案件です。
また、実績として制作物をSNSなどで公開したいという人が多いので、守秘義務や公開日など留意してください。

そもそも、その案件にデザインは必要か?

企業の業態によってはデザイン不要、作っても無印良品のパッケージ形式で十分ではないかと思います。無印の商品のパッケージって、制作費や時間を抑えることに成功してますよね(ブランディングはまた別です)。一つテンプレートを作って、全てを当てはめる形式にすれば、コストが下げられます。
私の経験上、ある種の業態の企業はデザイナーを活用しようとしないほうがいいと感じました。goo辞書によると、

ぎょう‐たい〔ゲフ‐〕【業態】 の解説

1 営業や企業の状態・体制。
2 生活や職業活動の状態。「住民の業態」

どう売るか?を考えたときに、ターゲットの属性が、洗練や、スマートさを求めない層も中には存在していて、デザインされたものはかえって軽薄に見せ、その企業の信頼を下げるということがあります。
それでもデザインの役割には、わかりやすい導線とか、媒体が何であれ、目にしているときの居心地のよさもあるので、デザイナー目線は全く必要ない、ということはないのですが、そういう企業文化の会社はおそらく、色々と難しいところがあるでしょう。

制作費を浮かせる方法まとめ

① 無料素材サイトや、AdobeStockを使う
② 自動生成ツールを使う
③ 場数を増やしたいデザイナーに、クラウドソーシングで発注する

以上、Adobe製品を持たないノンデザイナーが、宣伝にかかる制作費をなるべく安く済ませる方法をご紹介しました。

(ちなみに、この記事のキャッチアップはcanvaで作りました。所要時間:10分)